親しみと安心 ～東久保町～

結婚して横浜に引っ越し、初めて住んだ街が東久保町である。八百屋を経営する方のアパートを借り、半年間暮らした。アパートの坂を下ると藤棚商店街を含む通りに面する。銭湯や薬局など、多くの商店が閉店するなか、跡地に高層マンションが建設されている。
交差点に面するとんかつのさぼてんにはお世話になったし、障がい者雇用による喫茶店にも思い出がある。引っ越して数年経つのに、ヘアカットＢｏｎＤには今だにお世話になっており、店主とラーメンを食べに行く仲である。
当初住んだアパートから、みなとみらいが眺めるので、妻と花火を見たことがある。また、障がい者手帳を交付され、生活を立て直したのもこの街だ。低い収入でも暮らしていける自信が、色濃く残っている。
初めて住む街で、試行錯誤しつつ生活を形作った幸福は、今後の人生で、もう二度と来ないかもしれない。この街に住み始めて半年後に、今のマンションに移ったが、今でもＢｏｎＤに行くほか、教会からの帰り道に通っている。