湿り気の夏 ~天王町~
天王町には相鉄線の駅がある。星川と西横浜の間だ。駅を降りると、北には松原商店街、南には横浜ビジネスパークが広がり、駅前の広場から保土ヶ谷駅に向かう通りにもつながっている。マルエツやドラッグストア、100円ショップも近く、ラーメン店も数軒、営業している。
天王町の名は、イオン天王町店で知られる。保土ヶ谷区役所のごく近隣に、ミスドやロッテリアとともに営業している、地域でも有数の総合スーパーである。川辺公園を曲がり、帷子川に架かる橋を渡ると、保土ヶ谷公会堂や図書館、地域活動支援センターが集まっており、利用しやすい。
この辺りは、梅雨明けの夏の記憶が残る。少し蒸す夕べに家族のためにお使いに行ったとき、帷子の森に自由を感じた。学生のころ、図書館とイオンを往復する生活だったために、図書館とイオンのあるこの地区が重なってみえたのだろう。適度な樹木のボリュームも似ている。
学生だったころから随分と時間が経ったような気がしていたが、帷子川沿いを歩くと、学生の生活感覚がよみがえってくる。よき市民生活について考えた青年同士の純粋な影響。湿り気を残すこの時期に、また歩いてみたくなる街だ。